国際ファクタリングとは主に国内の輸出業者が海外の輸入業者から確実に売上金を得るための保証サービスとなっています。
ファクタリングサービスの中では売掛債権（請求書）の買取現金化を行う買取ファクタリングがもっとも有名ですが、国際ファクタリングはその用途も手続きもまるで違うものとなっているため気をつけましょう。
特に個人輸出業を法人化して本格的に事業展開するにあたっては国際ファクタリングの利用はほぼ必須ともなってくるため、その特徴をしっかり覚えておくようにしましょう。
国際ファクタリングは世界中の業者との連携で成立している
国際ファクタリングは世界的な枠組みの中で提供されているサービスです。
国内の買取ファクタリングは取引先を介さない２社間ファクタリングで行われることも多いですが、国際ファクタリングは必ず「国内の利用者（輸出業）・国内のファクタリング業者・海外のファクタリング業者（ファクター）・海外の輸出取引先（バイヤー）」という大掛かりな連携によって提供されています。
ただし利用者から見ると国内のファクタリング業者とのみ契約を交わしておけば海外とのやりとりは全て業者が代行してくれるため、実際の手間は大幅に低減されることになります。
この仕組みにおいてもっとも重要なのは、海外の業者がその国で取引先の信用を正確に判断してくれる点になります。
経営実態の不透明な相手と取引をして売上金を持ち逃げされるといったリスクを断つことができるのは国際ファクタリングの最大の意義となっています。
国際ファクタリングを導入して得られるメリット
国際ファクタリングを導入するメリットは海外取引先からの売上金を確実に入手可能になるということです。
通常の買取ファクタリングは「いずれ確実に得られる売上金の先取り」と言えますが、国際ファクタリングは「確実かどうかわからない売上金の確定」と表現するのが適切となるでしょう。
それほど海外企業との取引には不確定な要素が多く、海外のファクターがしっかりと相手の信用調査を行ってくれることには日本の事業感覚では追いつかないほどの価値があります。
また既存の海外取引では信用状という書類を使ったリスク管理を行っていましたが、直接の書類取引と比較すると国際ファクタリングは圧倒的に無駄の少ない手続きが可能となります。
国際ファクタリングは現在の輸出業において非常に重要な役割を果たすサービスです。
しかし一般的な買取ファクタリングとはまったく異なるシステムであるため、自発的に学ぶ姿勢を持たないとなかなかその活用法を身につけることはできないでしょう。
海外との取引に苦労した経験のある人は一度国際ファクタリングの本格導入を検討してみることをおすすめします。
手数料といった問題があるにせよ、輸出事業の安定化のためには大切な投資となるはずです。